東京地方裁判所 昭和40年(ワ)10806号 判決
以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。
〔判決理由〕破産法第七六条において、否認権は訴または抗弁により行う旨規定されているところ、訴による否認の結果と抗弁によるそれとでその効果の発生が異なるという理由がなく、更に否認権の行使は、通常、逸脱した財産の返還を求めて破産財団に復帰させることを主たる目的とするものと言うことができるから、否認権は、裁判上の意思表示によつて行使されるべき実体法の形成権であつて、否認権の行使は、否認権行使の結果生ずべき法律関係に基づく給付または確認を求める訴訟において、請求を理由あらしめまたはこれを理由なからしめる訴訟上の攻撃防禦方法であると解すべく、否認を宣言する判決を求めるところの形成の訴は、不必要であるばかりか、不適法であつて許されないものといわなければならない。従つて、本訴請求のうち、本件契約について否認の宣言を求める請求は不適法として却下を免れない。
(岡成人 内藤正久 豊田健)